冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
「……正解。きみにしては名推理だ」
「やっぱり! 水分の多いフルーツなら好きだと思ったんです」
笑顔の彼女と言葉を交わしていると、もっと話していたいという欲求が湧いてしまう。
琴里もなぜかすぐには立ち去ろうとせず、俺たちの間に微妙な沈黙が落ちた。
「……きみも弓弦くんも、変わりなく元気にしているか?」
ようやく投げかけることができたのは、あたりさわりのない会話。
琴里はそれでも微笑んでくれて、しっかりと頷く。
「あれからずっと帰らなくてごめんなさい。弓弦がちょっと成績落ちてて勉強を見てあげてるんですけど、私はあまり頭がいい方じゃないので高校生の勉強なんてついていけなくて。ふたりで悩んでいるうちに深夜になってたりして、毎日アップアップしてるんです」
平和な村雨家の様子を想像し、心が和む。俺がそばにいなければ、ふたりは問題なく穏やかに暮らせているようだ。
「謝らなくていい。俺も最近は仕事が忙しくて、朝から晩までここにいることが多いんだ。最悪、帰れない日もたまにあるし――」
「今日は、帰りますか?」
ふいに、切実な目をした琴里がそう言った。いったいどういう意図の質問だろう。