冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
普段から双子育児でゆっくり食事をする暇もない上、このところは夜泣きまで始まって満足に眠れておらず、私はどうやらものすごくひどい顔をしていたらしい。
『行商のおばさんでーす』と、野菜やお弁当を持って訪ねてきてくれた梓が、うちに入るなり私の頬をぺちぺちと叩いて泣きそうな顔になった。
『ちょっと琴里、寝不足すぎて目がイっちゃってる! こっちの世界に帰ってきて!』
そう言われても自分では普通のつもりだったので、『大丈夫大丈夫』とヘラヘラ笑った。
しかし、梓は到底納得せず、直後に帰宅した弟にも深刻な顔で相談した。
こっちへ来てからは弓弦と梓が顔を合わせる機会も多くそれなりに信頼関係もあったため、話はあっという間にまとまった。
『……確かにいつも以上にヤバい顔してるっすね』
『でしょ? 私、時間あるから数時間琴里のことひとりにしてあげない?』
『了解です。姉ちゃん、開と結は俺らが責任もって見てるから、どっかで思いっきり好きなものでも食べてきなよ』
私は遠慮したのだけれど、強引にアパートから放り出されて今に至る。
好きなもの、と言われてもすぐには思い浮かばなかったため、とりあえず行ったことのある店に足が向いた。
外食なんて久々だし、双子がそばにいないことがなんだか不自然で、ぼうっとしているだけの時間がしばらく過ぎる。
そうしているうちに、頼んだピザが運ばれてきた。