冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す

「どうぞ。ごゆっくりお召し上がりください」
「ありがとうございます……美味しそう」

 ピザを見たらなんだか急にお腹が空いてきた。せっかくだから温かいうちにいただこう。

「はふ、おいひ……」

 出来立てのピザは、まるで何日も断食した後で初めて食べた食事のように美味しかった。

 家でも弓弦と一緒の時はいちおう料理はするが、子どもが生まれる前に比べたら簡単なものしか作らなくなったし、すぐにかき込まないと双子が泣き出すから、こうしてゆっくり座って食事ができるだけでも、涙が出そうなほどのありがたみを感じる。

 弓弦と梓のおかげだな……。

 ふたりに感謝しながらひと切れずつゆっくり堪能していると、ふと横の窓に自分の顔が映っていることに気づく。

 美味しいピザにテンションが上がったせいか頬にほんのり赤みが差し、口元には笑みまで浮かべていたようで急に恥ずかしくなった。

 だ、誰も見てないよね……?

 慌ててキョロキョロするも誰も私のことなど気にしていない。

 ホッとして再びピザを口に運んだその時、店のドアベルが鳴った。

 なにげなく視線をそちらに向けると、入店してきた男性と目が合う。ドキン、と胸が鳴った。

「えっ……?」

 その眼差しは一瞬にして私の心を乱し、持っていたピザがぼとりと皿の上に落ちた。

 呆然とその場で固まっていると、テーブルのそばまでつかつかと歩み寄ってきた彼が、あの頃より少し伸びた髪をかき上げる。

「……ようやく見つけた」

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