冷酷検事は揺るがぬ愛で契約妻を双子ごと取り戻す
「あ、あの……鏡太郎さん、なんで……?」
カーディガンにカットソー、細身のブラックデニム、斜め掛けのボディバッグ。仕事中とは違いラフな格好をしている彼だが、私を見下ろす瞳の強さは変わらない。
私は動揺して軽く椅子を引いてしまうけれど、鏡太郎さんは構わず向かいの椅子に腰かけた。
今度は正面からまっすぐに見つめられ、ますます心臓が激しく暴れ出す。
「これ」
彼がバッグのファスナーを開け、一枚のはがきを取り出す。目を凝らしてみると、それは今年のお正月、私から紅林さんに出した年賀状だった。
検察庁の食堂を辞め引っ越すと話した時、あのふたりはとても寂しがってくれて、新しい住所が決まったら教えてほしいと頼まれていた。年賀状くらいはやり取りしたいから、と。
その際に、鏡太郎さんとはお別れして引っ越すから、彼は絶対言わないでときつめに口止めしたはずだったのだけれど……あのふたり、おしゃべり好きだもんな……。
「……む、無理やり押収した証拠品ですか?」
負け惜しみのように、そう口にする。
居場所がバレてしまったことも予定外だが、年賀状を見られたということは、鏡太郎さんは双子の存在も知ったということだ。そこを突っ込まれる前に逃げなくては。
それに、彼と一緒にいることがまたあの権藤に知れたら、彼に危険が及ぶかもしれない。
こんなところまで監視の目があるとは思えないけれど、万が一ということもある。
カーディガンにカットソー、細身のブラックデニム、斜め掛けのボディバッグ。仕事中とは違いラフな格好をしている彼だが、私を見下ろす瞳の強さは変わらない。
私は動揺して軽く椅子を引いてしまうけれど、鏡太郎さんは構わず向かいの椅子に腰かけた。
今度は正面からまっすぐに見つめられ、ますます心臓が激しく暴れ出す。
「これ」
彼がバッグのファスナーを開け、一枚のはがきを取り出す。目を凝らしてみると、それは今年のお正月、私から紅林さんに出した年賀状だった。
検察庁の食堂を辞め引っ越すと話した時、あのふたりはとても寂しがってくれて、新しい住所が決まったら教えてほしいと頼まれていた。年賀状くらいはやり取りしたいから、と。
その際に、鏡太郎さんとはお別れして引っ越すから、彼は絶対言わないでときつめに口止めしたはずだったのだけれど……あのふたり、おしゃべり好きだもんな……。
「……む、無理やり押収した証拠品ですか?」
負け惜しみのように、そう口にする。
居場所がバレてしまったことも予定外だが、年賀状を見られたということは、鏡太郎さんは双子の存在も知ったということだ。そこを突っ込まれる前に逃げなくては。
それに、彼と一緒にいることがまたあの権藤に知れたら、彼に危険が及ぶかもしれない。
こんなところまで監視の目があるとは思えないけれど、万が一ということもある。