罪の味をあなたに注ぐ
「面白いこと思いついちゃった」
密室で独り言をこぼしてみる。
今日、バイト代が入った。早速本屋に駆け込んだ。
大好きなホラー小説。今日、続編が出た。
ぞくぞくする表紙の絵が我が身を震わす。
心高ぶる状態で本を開く。ページをめくる。
一文目を読んだ瞬間から背筋が凍る。
何と書かれていたのかを誰かに言うなんて卑怯なことを私はしない。ネタバレは最大の敵だ。
自分が嫌なことは相手にもしない。こんなの常識だろう。それなのに堂々と胸糞悪いことをし続けるあなた。
――何も学んでいない。
少しだけ変えてあげたい。
ただそれだけ。