君の鼓動を、もう一度
窓のカーテンの隙間から、やわらかな朝日が差し込んでいた。
ICUの機械音は、変わらず一定のリズムを刻んでいる。
美咲のまぶたが、ゆっくりと動いた。
「……ん……」
声にならない声が、彼女の喉から漏れた。呼吸器はすでに外され、酸素マスク越しに新しい空気を吸い込む。
目を開いた瞬間、真っ先に見えたのは、彼の顔だった。
「……悠、斗……?」
「美咲……!」
その声に、全身の力が抜けそうになった。涙がこみ上げた。彼の手が、自分の手をしっかりと握ってくれている。
「バカ……なんで、泣いてるのは……こっちなのに……」
「ああ……バカでいい。お前が目を覚ましてくれた、それだけで……」
悠斗は涙を堪えきれず、眉をぎゅっと寄せて笑った。
美咲も、微かに微笑んだあと、ふと目を伏せる。
「……ごめん。勝手に……あんなことして」
「謝るな。俺のほうこそ、守りきれなかった……お前が走る姿、応援したかったのに。なのに……」
彼の声は震えていた。
だけどその目は、しっかりと彼女を見つめている。
「美咲。お前を、生きさせたい。どんな形でもいい。……少しでも長く、俺の隣にいてほしい」
言葉を飲み込みそうになりながら、それでも彼は伝えた。
「新しい手術の可能性がある。完治は難しいかもしれないけど、延命はできる。医者としてじゃない、ひとりの男として言わせてくれ。——生きて、俺のそばにいてくれ」
美咲の瞳が大きく見開かれ、そして涙が一粒、頬を伝った。
「……うん。まだ、怖いけど……でも……」
彼女は震える声で、でも確かな言葉で言った。
「わたし……もう一度、生きてみたい。悠斗の隣で」
ふたりの指が、ぎゅっと重なった。
その手は、離さない。
ICUの機械音は、変わらず一定のリズムを刻んでいる。
美咲のまぶたが、ゆっくりと動いた。
「……ん……」
声にならない声が、彼女の喉から漏れた。呼吸器はすでに外され、酸素マスク越しに新しい空気を吸い込む。
目を開いた瞬間、真っ先に見えたのは、彼の顔だった。
「……悠、斗……?」
「美咲……!」
その声に、全身の力が抜けそうになった。涙がこみ上げた。彼の手が、自分の手をしっかりと握ってくれている。
「バカ……なんで、泣いてるのは……こっちなのに……」
「ああ……バカでいい。お前が目を覚ましてくれた、それだけで……」
悠斗は涙を堪えきれず、眉をぎゅっと寄せて笑った。
美咲も、微かに微笑んだあと、ふと目を伏せる。
「……ごめん。勝手に……あんなことして」
「謝るな。俺のほうこそ、守りきれなかった……お前が走る姿、応援したかったのに。なのに……」
彼の声は震えていた。
だけどその目は、しっかりと彼女を見つめている。
「美咲。お前を、生きさせたい。どんな形でもいい。……少しでも長く、俺の隣にいてほしい」
言葉を飲み込みそうになりながら、それでも彼は伝えた。
「新しい手術の可能性がある。完治は難しいかもしれないけど、延命はできる。医者としてじゃない、ひとりの男として言わせてくれ。——生きて、俺のそばにいてくれ」
美咲の瞳が大きく見開かれ、そして涙が一粒、頬を伝った。
「……うん。まだ、怖いけど……でも……」
彼女は震える声で、でも確かな言葉で言った。
「わたし……もう一度、生きてみたい。悠斗の隣で」
ふたりの指が、ぎゅっと重なった。
その手は、離さない。