一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
「さっきの彼女って言うのは、星奈さんのことだから」

 関宮先輩が静かな声で宣言したのは、私の想像とは程遠い。
 思いもよらない言葉で……。

 私はお金を回収するために伸ばした手を止め、思わず彼を凝視してしまった。

 関宮先輩はいつものように、口元を緩めていると思いきやーーまっすぐこちらを見つめている。
 その表情は、真剣そのものだ。

「俺は初めて出会った時からずっと、今すぐ結婚したいと思うほどにーー君が好きだよ」

 学生時代に何度も受けた告白を、7年後に再び繰り返されるなど思いもしない。

 驚きで目を見開いた私は、泣きそうになるのを堪えながら。

 ーーごめんなさい。
 その気持ちは、受け取れません。

 妹の機嫌を損ねないために、そうして自分の気持ちに嘘をついて、すぐに断ろうとしたのだが……。

 彼から再び告白されたのが嬉しくて。
 このまま断るのはもったいないと、脳が拒否しているのか……。

 どれほどそれを口にしようとしても、二の句が紡げなかった。
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