一途な消防士は、初恋の妻を激愛で包み込む
ーー関宮先輩が妹の毒牙にかからなくて、本当によかった……。
私がそう、ほっと胸を撫で下ろしながら。
静かにその場を立ち去ろうとすれば……。
再び彼に、声をかけられてしまった。
「星奈さん」
「ちょっと! お姉に話しかけないで!」
「10回以上通い続けたんだから、もういいでしょ」
「あれは桁を間違えたの!」
妹は関宮先輩を妨害しようと必死になっていたけど……。
「陽日ちゃん!」
「あっ。いらっしゃいませー!」
常連客がちょうどいいタイミングで来店すれば、彼女はそちらの対応に追われる。
妹はすぐさま貼りつけた笑みを浮かべると、お客様を席へ案内するために彼から離れた。
「俺が来るの、迷惑?」
ーー再び訪れた貴重なチャンスを、関宮先輩が逃さぬはずはない。
妹が入れたばかりのおかわりを一切口にすることなく席を立った彼は、伝票を手にレジへ向かうとーー不安そうに私へ問いかけてきた。
関宮先輩がいれば、あの子は私に暴力を振るったり、常連客を巻き込んで悪口を吹聴したりはしない。
せいぜい嫌味が多くなるくらいだ。
私がそう、ほっと胸を撫で下ろしながら。
静かにその場を立ち去ろうとすれば……。
再び彼に、声をかけられてしまった。
「星奈さん」
「ちょっと! お姉に話しかけないで!」
「10回以上通い続けたんだから、もういいでしょ」
「あれは桁を間違えたの!」
妹は関宮先輩を妨害しようと必死になっていたけど……。
「陽日ちゃん!」
「あっ。いらっしゃいませー!」
常連客がちょうどいいタイミングで来店すれば、彼女はそちらの対応に追われる。
妹はすぐさま貼りつけた笑みを浮かべると、お客様を席へ案内するために彼から離れた。
「俺が来るの、迷惑?」
ーー再び訪れた貴重なチャンスを、関宮先輩が逃さぬはずはない。
妹が入れたばかりのおかわりを一切口にすることなく席を立った彼は、伝票を手にレジへ向かうとーー不安そうに私へ問いかけてきた。
関宮先輩がいれば、あの子は私に暴力を振るったり、常連客を巻き込んで悪口を吹聴したりはしない。
せいぜい嫌味が多くなるくらいだ。