敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「あの……もしお忙しかったら、行っていただいても大丈夫ですよ」

私のわがままで引き留めておいてはいけない気がして声をかけると。

「今日の俺は石楠花先生の担当として来ていますから。最重要任務は役員の相手ではなく、先生をお守りすることです」

そう言って私との距離をいっそう詰める。周囲からはボディガードのように見えているのではないだろうか。

……たまに誓野さん狙いの女性の妬ましそうな視線も感じるんだよね。

『私がわがままを言って誓野さんをはべらせている』なんて噂が立たなきゃいいんだけど。

「……誓野さん。やっぱり私、ひとりでも大丈夫な気がー……」

そう声をあげたとき、うしろから「久しぶりだね」と声をかけられた。

立っていたのは私より作家歴が二年先輩の男性、神宮司疾風先生。

パーマがかった茶髪に細身のスーツ、尖がった革靴、ベルトにはでっかいブランドロゴ。詳しくないからわからないけれどたぶんすごく高級な時計。イマドキのモテ男である。

「久しぶりだね、みどりさん。今日は一段と華やかだなあ」

「お久しぶりです。神宮司先生こそ、今日もお洒落でいらっしゃいますね」

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