敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
神宮司さんは納得したように腕を組む。しかし引く気はないようで、誓野さんに嫌悪感をあらわにしたまま肩を竦めた。

「だったら僕が彼女のそばにいるから大丈夫。君はほかの作家に挨拶でもしてくればいい。行こう、みどりさん」

そう言って神宮司先生が私の腕を掴み、会場の外に連れていこうとする。

「あ、あのっ……!」

離してほしいとも言えず、あれよあれよという間に引きずられていく。

そのとき。誓野さんが「やめてください」と彼の腕を掴み振り払った。

「彼女が迷惑している。勝手をされては困ります」

私を背中に隠すように立ち塞がる。

神宮司さんはプライドを傷つけられたのか、余計にムキになって誓野さんにかみついた。

「は? なんの権限があって言ってんの? 一編集者風情が何様なわけ?」

大きな声で言うものだから、周囲が異変を察知し騒がしくなる。

しかし誓野さんも引くつもりはないようで「軽々しくお手を触れられては困ります」と、冷ややかにあしらう。

「ていうか君、なんなの? さっきから見ていれば妙に顔が広いようだし。もしかしてどっかの重役の息子とか、そういうの?」

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