敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
さすがに誓野さんの正体に気づいたのだろう。社長が立ち去り硬直から解放された神宮司先生は、こちらをぎろりと睨みつけ、かといって文句も言えなかったようで――。

「チッ……!」

盛大な舌打ちをして会場を出ていった。一瞬の出来事に呆然とする私たち。

「……私、人生で初めて舌打ちされました。結構ぞくぞくっとしますね。この感覚、執筆に活かさなきゃ」

「なんでも肥やしにしますね、石楠花先生。ご立派です」

しみじみ呟く誓野さん。

その後、パーティーは滞りなく進み、編集長の言葉で無事閉会した。




「はあ。本当に疲れました。誓野さんも楽にしてください」

誓野さんの車で自宅に送り届けられた私は、パーカーに着替え、ソファで脱力した。

彼もジャケットを脱いで正面のソファに座る。

「着物、クリーニングに出しておきますね。そのあとはぜひもらってください。父も言っていた通り、もう祖母に似合うような色柄ではないので」

「では遠慮なくいただきます。お祖母様に感謝をお伝えください」

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