敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
この先は新作の編集作業と次回作の企画書作りを並行して進めることになりそうだ。

「次のテーマとか、編集部内で話題に上がっていたりします? そろそろ十八番の合戦ものとかどうかなあって思ってるんですけど」

しばらく恋愛ものは勘弁願いたい。

しかし、誓野さんは言いづらそうに目を逸らしたままだ。

「……次回作については、別の担当から話があると思います」

「え? 次も誓野さんではないんですか?」

少なくとも吉川さんが産休や育休を取得している間は彼が担当してくれると思っていたのだが……。

「もしかして、また次の部署へ? 経験を積むために、いろいろな部署を点々としているんでしたっけ」

「ええ。文芸編集部はあの作品が仕上がるまで在籍するつもりです」

「そう……なんですか……」

まだ一年も経っていないのに異動だなんて。

まあ、あの部署は年度の切れ目より担当作品の切れ目で配置転換があるらしいから、妥当といえば妥当だ。

とはいえ、こんなに早くその日が来るとは思っていなかったので、動揺が隠し切れない。

「なんだか寂しくなりますね。せっかく慣れたと思ったのに」

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