敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
《先生のこと、よろしく頼むよ。こっちはこっちでやれることをやる。あの週刊誌の編集部とも連絡がついたよ》

「話はできたんですか?」

《ああ。うちは全面的に争うつもりだって、きちんと脅しておいた。とはいえ向こうも責任問題になるからねえ、簡単に記事を取り下げてはくれないだろう》

「あの写真は石楠花先生ではありませんよ。俺が証明して頭を下げさせてみせます」

《それができたら楽なんだけどね……》

あきらめたように息をつく編集長。遠巻きに撮影された解像度の低い白黒写真じゃ、それが誰かなんて証明できない。言い張った者勝ちだ。

問題は石楠花みどりを名乗ってホストクラブに通っていた女性がいたという事実。複数のホストが「あれは石楠花みどりだ」と証言しているらしい。

……そこをどうひっくり返すか、だな。

写真や証言を鑑みても、この件には必ず裏で糸を引く黒幕がいる。その人物を明らかにしないことには進まない。

石楠花みどりの人気を妬む人間か、あるいは――。

《そうだ、ひとつわかったことがある》

思い出したような編集長のひと言に、俺は耳にしっかりと端末を押し当て「なんです?」と詰問する。

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