敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
《あの記事を書いた記者についてわかったよ。以前もうちの作家のスキャンダルをあげていた》

「うちの作家……?」

《神宮司先生だよ。女優の卵やらアイドルやらと写真を撮られていただろう》

ふと以前オフィスでした会話が脳裏をよぎる。

「あの件は次作自演なんじゃないかって、吉川さんが冗談半分で言っていましたよね」

《そう、もしかしたら本当に自作自演だったのかもしれない。記者と神宮司先生が繋がっている可能性はある。確か授賞式の日に君たちと神宮司先生、派手にやり合ってたよね?》

「まさか怨恨でこんな記事を……?」

額に手を当てて項垂れる。神宮司疾風のプライドをずたずたにする形で決着したあの件がこじれたとすれば――逆恨みした彼が翠さんを陥れようと画策しても不思議ではない。

「ありがとうございます。彼の周辺を洗ってみます」

通話を終えると、急ぎ別の場所へ電話をかける。

大学時代に培った人脈は有事の際に役に立つ。

そこそこ名の知れた大学に通っていたおかげで、経営者や権力者の知人は多いし、社長令息という肩書きも相まって力になってくれる友人は多くいる。

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