敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「誓野だ。久しぶり。早速だが折り入って相談したいことがあるんだが――」

早々に切り出し、俺は彼女の冤罪証明に向けて動き出した。



***



翌日、週刊誌は発売され、テレビやネットはざわついた。

しかし、北桜出版がすぐにその記事は事実無根であると声明を出し訂正を求めたため、私への批判より信憑性を問う声の方が多そうだ。

数日後、誓野さんに連れられホテルのロビーラウンジを訪れた私は、ひとりの男性を紹介された。

「違うよ。この子は石楠花みどりじゃない」

男性から面と向かってそう言われて、目が点になる。

私を偽者だと言い張るのは、柄シャツとレザーパンツにシルバーアクセサリーをじゃらじゃらとつけた、ちょっとカタギか心配になる雰囲気の男性。あの週刊誌に載っていたホストの方だそうだ。

「違うと、自信がありますか?」

誓野さんが尋ねると男性は「あるある」と言ってソファチェアにふんぞり返った。

「一カ月くらいの間、頻繁に来て指名してくれてたからね。さすがに顔くらいは覚えてるよ。本物はもっと顎が細くて、唇が厚めで色っぽかった」

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