敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
ぼたぼたと目から涙がこぼれ落ち、その意図を察した彼が「違うよ、翠さんのせいじゃない」と慰めてくれる。

「でも、編集長が責任を取らなきゃいけなくなってしまったんですよね? もし辞めさせられたりしたら」

「ん……だから俺が代わりに石楠花みどりの担当を辞任することにした」

彼の言葉に涙すら引っ込んだ。責任を背負わされたのは、編集長ではなくて誓野さんなの?

彼の輝かしいキャリアをめちゃくちゃにしてしまった。

「ごめんなさい……私、どうしたら……」

「違うんだ、もともと俺は担当を離れる予定だったし、これはパフォーマンスみたいなものだよ。全部丸く収まった。これまで長い間、嘘を吐かせてごめん」

彼がベッド脇のサイドテーブルからティッシュケースを持ってきて私の膝に置く。

「これでよかったんだ。もう心配はいらない。だから顔を上げて。翠さんが泣く必要なんてなにもないから」

そう言ってティッシュを一枚抜き取ると、私の涙を拭いてくれる。

ぐすっと鼻を鳴らしながら見上げると、彼は「それより」と言って優しく微笑んだ。

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