敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「これで晴れて翠さんの担当を卒業したわけだけど――今後は個人的に支えさせてもらっていいんだよね?」

彼が顔を近づけてきて、こつんと額を当てる。その表情はどこかあどけなく、なぜか楽しそうだった。

「あれは、翠さんなりの告白だったって思っていい?」

甘い眼差しで確認されて、今まで反省の奥に引っ込んでいた恥ずかしさが表に引きずり出された。

あわあわと口を開閉しながら「あれは……」と言い訳の言葉を探す。

「違うの?」

「っ、えっと……違うっていうか、その……」

言い淀んでいると、彼が拗ねたように口をへの字にした。

「ちょっと悔しかったよ。先に言われちゃったから」

「え……?」

「俺が告白するはずだったのに先を越された」

彼の腕が背中に回ってくる。

包み込むように抱き寄せられ、彼の肩口に涙でぐしょぐしょの顔があたった。

「あ……待って、スーツが汚れて――」

「気にしなくていい」

「き、気になります」

「どうせクリーニングするんだ」

そう投げやりに言うと、私を抱きかかえて背面からベッドにダイブした。私の体を乗せたまま、彼が仰向けに寝転がる。

「きゃっ……ち、誓野さん!?」

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