敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「昨日の会見の影響で取材や問い合わせがたくさん入ってきたよ。ありのままの石楠花みどりが知りたいってインタビュー依頼が殺到してる」

「みなさん、怒っていませんでしたか? 私がメディア向けに嘘をついていたって」

「もともと翠さんはインタビューで『文学が好き、恋愛より趣味の時間を充実させたい』って答えていたわけだから、嘘とは捉えられていないよ。まあ衝撃的だったのは、翠さんが世間の予想以上に……純情だったってことで」

彼が言いづらそうに目を逸らす。『生涯通しても、私が真剣に向き合った男性は彼だけです』――初恋を引きずる女みたいに思われただろうか。めちゃめちゃ恥ずかしい。

加えて『まだキスすら経験できていません』とも言ってしまった。

「キスすらしないプラトニックな関係って方に興味が向かっているみたいだ。相手はどんな男なんだろうって」

「……ごめんなさい」

申し訳なさすぎて顔を伏せる。彼が「いや、いいんだ。悪いイメージじゃないし」とフォローしてくれるけれど……顔から火を噴きそうだ。

「編集部では『健気な女性』ってイメージを大事にしようって話になってる」

「承知いたしました……」

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