敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
ひとまず嫌悪感を抱かれていなくてホッとした。その反応なら新作の発売も問題なく進められるだろう。

「映画化も進行中だ。制作会社や俳優さんの所属事務所も、問題ないと言ってくれた」

「よかった」

ホッと胸を撫で下ろす。私のせいで中止なんてことにならなくてよかった。

「ひとつだけ問題があるとすれば、偽者の石楠花みどりとその黒幕についてなんだけど」

会見で彼が口にしていたことを思い出し、ごくりと息を呑む。

あのとき、彼は『故意に虚偽の情報を流した人物』と言っていたけれど――。

「あの記事は記者の間違いではなく、嫌がらせだったんでしょうか?」

尋ねると、彼は重苦しい表情でこくりと頷いた。

「黒幕は神宮司先生だ」

「えっ……!? どうして?」

「翠さんのことを逆恨みしていたらしい。愛憎っていうのかな。口説いても全然なびかないからプライドが傷つけられたみたい。俺とのこともあって、北桜出版自体にも恨みがあったんだろう」

確かにパーティーの日も気まずいまま別れてしまったけれど、そこまで恨まれていたとは。

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