敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「翠さんを傷つけておいて、ごめんなさいで許されるとは思ってほしくないからね」

普段は冷静なのに、私のこととなるとストッパーが外れる彼がちょっぴり心配だ。

これ以上恨まれなければいいのだけれど……まあ、北桜グループ代表のご令息を敵に回したらただじゃ済まないと誰でもわかるので、大丈夫だとは思うが。

「とにかく心配はないよ。新作は出るし、映像化も問題なく走り出す。編集長や広報はもうイメージ戦略は気にせず、ありのままでいいって言ってくれているから」

「わかりました。思うようにやらせてもらいます」

ただ文学が好きで、小説を書くのが一番。石楠花みどりも楠花翠も、それだけがブレずに一貫して通してきた筋。

飾り立てるのはやめてそのままで行こう、そう思ったら肩の荷が下りた気がした。



夜、入浴を済ませてリビングで冷えた緑茶を飲んでいると、お風呂上がりの彼がタオルで髪をドライしながらやってきた。

「ここにいてくれてよかった。少し話したかったから」

早々に部屋に引っ込んで仕事を初めてしまう日も多い。でも今日、リビングで彼を待っていたのは私も話があったからだ。

< 174 / 188 >

この作品をシェア

pagetop