敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
脳内の言語化を放棄するのはいつぶりだろう。世の中のありとあらゆる感情を文章に書き起こしてきたつもりだったが、これはいまだ経験がない。

きっと一生言葉にする日は来ないだろう。私と勇さんだけの秘密だ。

「翠さん。愛してる」

切実な告白とともに、彼が愛の杭を突き立てる。

鋭い漆黒の双眸に射貫かれて、なんて幸せなのだろうと思った。今にも飛んでいってしまいそうな意識をこのまま縫い留めていてほしい。

「勇さん……愛してます。こんなに好き……」

お互い極みに達して、強く強く抱きしめ合う。

腕の中にある彼の体は熱く、呼吸とともに大きく上下し、筋肉が激しく躍動していた。

これまで私が小説にしか興味が湧かなかったのは、ちゃんと理由があったのだ。

彼と出会う日を待っていた。きっとこれが運命なのだと、薄れゆく意識の中で確信した。





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