敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「はい、サービス」

栗しるこはサインのお礼だそうだ。とろりとしたあんの海に大粒の白玉と栗が、メニューにある写真よりもずっとたくさん浮いている。かなりの大サービスだ。

「わあ、ご馳走! ありがとうございます!」

「ゆっくりしていってね」

さっそく私は熱々のおしるこをいただく。温かくって甘くって、白玉はもっちもちでとてもおいしい。

私は白玉を持ち上げて「はい」と勇さんの口もとに持っていった。

「熱そうだな」

苦笑しながらもかぶりつく。

「熱っ……でもおいしい」

彼はそう言って口をはふはふした。

「休日は家で本を読むのがベストって思って生きてきましたけど。お出かけもいいですね」

そう思えるのは隣に勇さんがいてくれるからだ。

「俺は翠さんとなら、どこにいたって幸せだよ」

相変わらず彼は惜しみなく甘い言葉をくれる。そんな彼の隣だからこそ、私は安心してマイペースを貫き通せるのだろう。

「ああ、そういえば昨日、うちに吉川さんが来ていたみたいだけど」

緑茶を飲みながら尋ねてくる勇さん。

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