敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「もしかして、私が普段から寝間着すっぴん眼鏡だってことも聞いている……??」
だから『俺はその格好の方が好きです』とさりげない言い方で、身だしなみに気を使わせないよう誘導したのだろうか。私が気を悪くしないように、鼈甲の髪飾りまでプレゼントして?
なんて策略家だろう。なんだかもういろいろと恥ずかしくて、熱くなった頬を押さえてリビングに戻る。
「そういえば、お腹が減っているかも……?」
朝からなにも食べておらず、そのこと自体気にとめていなかった。食事を渡されなければ昼も抜いていたかもしれない。
さすがはできる担当。絶妙なタイミングでの差し入れだ。
「ありがたく、いただきます」
早速もらった釜めしをレンジで温めてブランチをいただいた。
***
小さい頃から本が大好きだった。ジャンル関係なく、あらゆる本を読んだ。
文京区の大学を選んだのは、文豪ゆかりの地に住んでみたかったから。
そんな純なんだか不純なんだかよくわからない理由で、そこそこ有名な大学の文学部に進学を決めた私は、早々に実家のある岡山を出てひとり暮らしを始めた。
だから『俺はその格好の方が好きです』とさりげない言い方で、身だしなみに気を使わせないよう誘導したのだろうか。私が気を悪くしないように、鼈甲の髪飾りまでプレゼントして?
なんて策略家だろう。なんだかもういろいろと恥ずかしくて、熱くなった頬を押さえてリビングに戻る。
「そういえば、お腹が減っているかも……?」
朝からなにも食べておらず、そのこと自体気にとめていなかった。食事を渡されなければ昼も抜いていたかもしれない。
さすがはできる担当。絶妙なタイミングでの差し入れだ。
「ありがたく、いただきます」
早速もらった釜めしをレンジで温めてブランチをいただいた。
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小さい頃から本が大好きだった。ジャンル関係なく、あらゆる本を読んだ。
文京区の大学を選んだのは、文豪ゆかりの地に住んでみたかったから。
そんな純なんだか不純なんだかよくわからない理由で、そこそこ有名な大学の文学部に進学を決めた私は、早々に実家のある岡山を出てひとり暮らしを始めた。