敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
これまでのような暮らしはできないけれど、愛する彼がいればそれだけで充分。幸せな未来が見えたところでハッピーエンドである。
「感動の再会とか、戦に勝利して盛り上がるシーンなんかはこれまでたくさん描いてきたし。うん、あの感じで行けそうな気がする」
しっとりと抱き合うのではなく、盛り上げて涙を誘う方向に持っていこう。それならわざわざ誓野さんに再現してもらわなくても描ける気がする。
見通しを立て、原稿に臨む。完成まであと少しだ。
「どうしてラストのハグはすんなり書けちゃうんです?」
合宿終了まで残り二日。誓野さんが原稿を確認しながら、なぜか不満そうに言った。
「感情の起伏の激しいシーンは、石楠花みどりの十八番ですから」
「……俺が唯一、翠さんを抱きしめられるシーンだったのに」
「誓野さんの手を煩わせなくて済んで、よかったです」
彼は大きく息をつくと、なんのことだか知らないが「生殺しだ……」と無念そうに呟いて続きを読み進めた。
すべてを読み終えた彼が原稿を置く。「とてもいいと思いますよ」と穏やかに感想を口にした。
「感動の再会とか、戦に勝利して盛り上がるシーンなんかはこれまでたくさん描いてきたし。うん、あの感じで行けそうな気がする」
しっとりと抱き合うのではなく、盛り上げて涙を誘う方向に持っていこう。それならわざわざ誓野さんに再現してもらわなくても描ける気がする。
見通しを立て、原稿に臨む。完成まであと少しだ。
「どうしてラストのハグはすんなり書けちゃうんです?」
合宿終了まで残り二日。誓野さんが原稿を確認しながら、なぜか不満そうに言った。
「感情の起伏の激しいシーンは、石楠花みどりの十八番ですから」
「……俺が唯一、翠さんを抱きしめられるシーンだったのに」
「誓野さんの手を煩わせなくて済んで、よかったです」
彼は大きく息をつくと、なんのことだか知らないが「生殺しだ……」と無念そうに呟いて続きを読み進めた。
すべてを読み終えた彼が原稿を置く。「とてもいいと思いますよ」と穏やかに感想を口にした。