敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「昼寝がしたいっていうか、畳の上でのんびり寝そべりながら翠さんとお話ししたい。畳じゃなきゃごろごろできないから」

「まあ、それはわかります。マンションのフローリングじゃできませんもんね。ああ、和室のある部屋に住めばよかったな」

そんな後悔を口にしていると、勇さんがうつ伏せになって肘をつき、こちらを覗き込んできた。

「あわよくば、翠さんの寝顔が見られるかなって」

「私の寝顔なんて見たって楽しくありませんし、だいたい男性のいる前で昼寝なんてしません」

「でも、最初の頃はこうして隣に寝転がるだけでも抵抗があったよね? 少しは心を開いてくれたのかなって思ってるんだけど」

それは確かに。一カ月くらい前、主人公・カヲルの気持ちを理解するためにこうして彼の隣に横たわったことがあったが、あのときのような緊張はもうしていない。

「そうですね。二カ月も付きっ切りでそばにいてもらえたんで、さすがに慣れたんでしょうか」

いつの間にか彼のそばが心地いいとすら感じている。

吉川さんが隣にいてくれたときみたいな安心感。……いや、もっと特殊で不思議な感覚かもしれない。

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