敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
言語化して説明するのは難しそうで、言葉にするのをあきらめる。
「それで、なんの話をします? 私、小説に全振りして生きてきた人間なので、おもしろい話はできませんよ?」
念を押すように前置きすると、彼は「んー」と考え込んでから切り出した。
「……これはオフレコなんだけど、湾先生が久しぶりに新作を書くって。確か翠さん、湾先生のファンだったよね」
私は「えーーー!?」と叫びながらごろんと転がりアシカのように身を起こす。ファンです、そりゃあもう大ファンです。
湾先生は北桜小説大賞の初代受賞者で、私の大大大先輩。現代の文豪とも呼ばれており、年齢は七十に近いと思う。
持病の悪化もあって最近は執筆をお休みされていたのだが、とうとう復活か。とても楽しみだ。
「いつですか? どんな話を書くんですか?」
「今プロットが通ったところらしい。昭和の人情ものだって」
「楽しみだなあ」
「先日、お会いする機会があったから、翠さんのことを伝えておいたよ。湾先生が大好きで、新作を楽しみに待っているって」
わあ、なんて気の利く担当だろう。勇さんのことが大好きになった。
「それで、なんの話をします? 私、小説に全振りして生きてきた人間なので、おもしろい話はできませんよ?」
念を押すように前置きすると、彼は「んー」と考え込んでから切り出した。
「……これはオフレコなんだけど、湾先生が久しぶりに新作を書くって。確か翠さん、湾先生のファンだったよね」
私は「えーーー!?」と叫びながらごろんと転がりアシカのように身を起こす。ファンです、そりゃあもう大ファンです。
湾先生は北桜小説大賞の初代受賞者で、私の大大大先輩。現代の文豪とも呼ばれており、年齢は七十に近いと思う。
持病の悪化もあって最近は執筆をお休みされていたのだが、とうとう復活か。とても楽しみだ。
「いつですか? どんな話を書くんですか?」
「今プロットが通ったところらしい。昭和の人情ものだって」
「楽しみだなあ」
「先日、お会いする機会があったから、翠さんのことを伝えておいたよ。湾先生が大好きで、新作を楽しみに待っているって」
わあ、なんて気の利く担当だろう。勇さんのことが大好きになった。