敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
作品のヒットとともにどんどん有名になっていく彼女。

カメラの前に立つ姿はあの日と同じように美しく煌めいていて、メディアには『才色兼備の若手ナンバーワン作家』『あえて男を作らない優雅なソロ充ウーマン』なんて華々しく謳われている。

輝きを増していく彼女を見ていると、誇らしく感じると同時に、自身の不甲斐なさが身に染みる。

そんな七年目のある日、ふとしたきっかけで父から「結婚はまだか?」と尋ねられた。急かされているわけではない、世間話のつもりだろう。

「いや。そういう女性はいないよ」

ストイックに仕事をこなす日々。おかげで恋愛はご無沙汰だ。

「それでいいならかまわないんだが。もし出会いが必要なら縁談でも持ってこようか? どういう女性がタイプなんだ? 淑やかとか、気が強いとか、経営について対等に語り合えそうなインテリジェンスがほしいとか……なにかしら好みがあるだろう?」

「心配しないでくれ。自分で探せるから大丈夫」

はぐらかしてはみたものの、好みの女性とはなんだろう?と首を捻る。

記憶の中で一番美しく輝かしい女性といえば、あの日に見た壇上の彼女。

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