敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
しかし彼女は、ああ、ええ、そうなんですが……と返事を濁した。
「……実は、そろそろ配置換えを検討していまして。もう八年も担当していましたから、そろそろ新しい風を吹かせなければと」
あまりのタイミングのよさに驚いて目を見開く。
俺に担当させてください、そう言おうとした矢先、吉川さんに「あー、ですが、誓野さんだとちょっと難しいかな」と先手を打たれた。
「石楠花先生、男性が苦手なんだって」
そう補足したのは、デスクに座っていた編集長の室重さんだ。
「何年か前に、神宮司先生に襲われそうになっちゃってトラウマなんだよね。無事だったとはいえ、あんなことがあったら男性不信になるのも無理はないかな」
ぴくりとこめかみが引きつる。聞き捨てならない情報に「神宮司先生とは、作家の?」と声を押し殺す。
「うん。ライト文芸の神宮司疾風先生。噂は聞いたことあるんじゃない? 女優の卵とかアイドルとかとすぐスキャンダル写真を撮られに行っちゃう人」
「……実は、そろそろ配置換えを検討していまして。もう八年も担当していましたから、そろそろ新しい風を吹かせなければと」
あまりのタイミングのよさに驚いて目を見開く。
俺に担当させてください、そう言おうとした矢先、吉川さんに「あー、ですが、誓野さんだとちょっと難しいかな」と先手を打たれた。
「石楠花先生、男性が苦手なんだって」
そう補足したのは、デスクに座っていた編集長の室重さんだ。
「何年か前に、神宮司先生に襲われそうになっちゃってトラウマなんだよね。無事だったとはいえ、あんなことがあったら男性不信になるのも無理はないかな」
ぴくりとこめかみが引きつる。聞き捨てならない情報に「神宮司先生とは、作家の?」と声を押し殺す。
「うん。ライト文芸の神宮司疾風先生。噂は聞いたことあるんじゃない? 女優の卵とかアイドルとかとすぐスキャンダル写真を撮られに行っちゃう人」