敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
十年くらい前にライト文芸のコンテストで賞を取り文壇デビューを果たした作家だったか。ITを駆使した今時のネタと斬新な文章で若い世代に人気を博している。
歳は三十代後半、流行のヘアスタイルとブランドファッションに身を包み、洗練されたビジュアルから女性ファンも多い。
だが、困りものなのは交際報道が多いこと。吉川さんが呆れたように言う。
「あれはもうわざと週刊誌に撮られに行ってますね。目立ちたいんでしょう。困ったものです。みどり先生を酔わせてホテルに誘い込んだのだって売名に違いありません」
「まあ、神宮司先生は問題行動が多いから今も出版禁止になっていて、次回作の打診もしてないんだけどね」
軽々しく石楠花みどりに手を出した神宮司疾風――その名を心のブラックリストに刻む。経営者になった暁には二度とうちに立ち入れないようにしよう。
吉川さんは腰に手をあてて、困ったように続ける。
歳は三十代後半、流行のヘアスタイルとブランドファッションに身を包み、洗練されたビジュアルから女性ファンも多い。
だが、困りものなのは交際報道が多いこと。吉川さんが呆れたように言う。
「あれはもうわざと週刊誌に撮られに行ってますね。目立ちたいんでしょう。困ったものです。みどり先生を酔わせてホテルに誘い込んだのだって売名に違いありません」
「まあ、神宮司先生は問題行動が多いから今も出版禁止になっていて、次回作の打診もしてないんだけどね」
軽々しく石楠花みどりに手を出した神宮司疾風――その名を心のブラックリストに刻む。経営者になった暁には二度とうちに立ち入れないようにしよう。
吉川さんは腰に手をあてて、困ったように続ける。