敏腕編集者の愛が重すぎて執筆どころじゃありません!~干物女な小説家は容赦なく激愛される~
「それにみどり先生ってしっかりしてそうに見えて、すごーく手がかかるんです。パソコンにかじりついたまま三日くらい動かなくなっちゃう。放っておくとご飯食べないで倒れちゃうし、家事も苦手みたいだし。はっきり言って、超執筆バカなんです」

動揺から目を瞬かせる。『優雅なソロ充ウーマン』だったはずでは……。

「びっくりでしょう? メディアに出演するときは、ファンに幻滅されないようにできる女を演じてもらっているんです。でも本当は一日中寝間着だし、お洒落なんてまるで興味ないし。あんなずぼらな姿、殿方には見せられないわ」

素晴らしい作品の代償に生活が破綻しているとは思わなかった。

まあそれでも周りが納得するだけの成果を彼女は挙げているのだが。

「面倒見がよくて家事のできる担当が必要だよねえ。やっぱり吉川先生が継続した方がいいんじゃない? 産休だなんて嘘までついて、担当を離れておいてなんだけど」

「いえ、親離れは必要です。でないとこの先、みどり先生が苦労します。そりゃあ私がずっとそばにいられたらいいですけれど、妊活中なのは本当ですから。いつお休みをいただくかわかりませんし」

< 95 / 188 >

この作品をシェア

pagetop