わたしのスマホくん
「ああ、最近見てた古いスマホ?」
「そうそう。4台とも見当たらないんだけど……」
これで人化してたら嬉しいのにな。
「それなら、お父さんがもう古いんだからついでにリサイクルに出すかって言ってたから……止めたんだけど、もしかしたら4台ごと持って行ったのかも……」
──え?
リサイクル?リサイクルって、スマホくんたちを?
それっていなくなるってこと?もう会えなくなるってこと?
「4人ともっ……そんな、ウソでしょ!?」
もしリサイクルに出そうものなら、古い桃李くんたちは間違いなく回収されてしまう!
「待って、お父さんに電話してみるから……んー出ない。もう一度かけてみるね」
「わたし、携帯ショップ行ってくる!!」
電話に出ないならいっそ行くしかない。もし出ても気が気じゃない!ヒロが近くにいるなら、止めてくれるとは思うけど。
「あ、青空っ!」
お母さんが何か言う前に、わたしは碧くんを片手に家を飛び出し、ショップへ走った。
まさかこんなことが起こるなんて全く予想していなかった。
お父さんがいつ戻ったのかはわからないけど、早く行かなきゃ……!
どうかまだ、4人ともお父さんの手もとにありますように──!