わたしのスマホくん
【おはようございます】
「うわっ!?」
いっさい触っていないのに、画面が光り機械的な声で挨拶が返ってきた。
今のは碧くんの素の声じゃなく、機械まじりにした碧くんボイスっぽいけど、挨拶が聞こえて返してくれたってこと?
「まずは着替え……」
と思ったけど、なんだか妙な気持ちになる。
スマホなのに男の子の姿を見ちゃったから。
「……ちょっとごめんね」
伏せようか迷い、近くにあったハンカチをスマホにかぶせた。
見るとは思ってないよ?でも一応ね、一応。
『青空ー!ご飯出来てるよー』
「はーい!」
着替えてからハンカチを取り、そのまま部屋を出かけたところで、
「ご飯食べてくるね」
声をかけてみた。
【いってらっしゃい】
──っ!やっぱり聞こえてるんだ。
「うん、いってきます」
なんだか、嬉しくなっちゃった。
昨日、ケースは頼んだから早く持ち歩けるように入れてあげたい。
ケースつけたらなんか変わったりするのかな。見た目とか。
「さすがにそんなことはないか」
そうひとりつぶやいて、わたしは階段をおりた。