わたしのスマホくん

ヒロがスマホくんたちに笑いかければ、莉雨くんの手を引きながら桃李くんが抱きつきに行く。

「ヒロー!」
「や、やめてよっ皆いるのに」

そんなことを言いつつも、ヒロはちょっとだけポンポンと桃李くんの背中に手を回した。
ほほえましい光景にゆるんだ顔をわたしはひきしめる。

「……後でゆっくり話すけど、この男の子たちは全員スマホだよ」
『スマホ?』

いぶかしげな顔をされるのは分かった上。

「ぼくも知ってる。姉ちゃんの言うことは本当だよ。姉ちゃんに渡してた古いお母さんたちのスマホも今はこの通り。……要は人の姿になってるってこと」

わたしのそばにいるヒロも、しっかり信じてくれている。
だけど、お母さんとお父さんは顔を見合わせたり、スマホくんたちを見て考え込んだり。

「ま、後で話す時にまたスマホに戻ってもらったり、人になってるの見たら信じるよ」

ヒロが笑ってみせれば、スマホくんたちもやわらかい笑顔を見せる。

「うん……だから、話を聞いてほしいの」
「ぼくも一緒に話してあげる。その方がいいでしょ?」
「……ありがとう」

それからスマホくんたちをまじえ、わたしとヒロはお母さんたちに、はじまりから全てのことを話していった──
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