わたしのスマホくん
「……ねぇ青空、すごいドキドキしてない?僕とこうしてるから?まさか明華にドキドキしてないよね?」
「俺に、だよな?青空。……あ、でも本当に心拍数はやいな」
「どれくらい?」
なんで碧くん、そんなこと真顔で聞くの!?
「自分も気になる」
「ボクも!この中でいっちばんボクにドキドキしてもらわなきゃイヤだもん!」
莉雨くんたちまで……あれ?
な、なんか碧くんに左手だけつかまれてしまった。まさか、はかられるのかな。
「……うん、はやいね。2人のどっちの影響かは分からないけど」
「そら、ボクともはかってもらおー!」
「え、なら自分もはかってもらいたい」
ノリノリだ……。
でも、かわりばんこに抱きしめられていたらわたしがもたないっ!
「はかりたいのは……わ、わかるけど聞きたいことがあるの。皆に!」
『聞きたいこと?』
口をそろえる皆に、わたしは頷く。
「じゃ、僕とこのまま話して」
「いやいや、さすがに離れようぜ?ちゃんとした話なんだろうし」
わたしのことを離さんと言わんばかりに力を込める円華くんだったけど、明華くんと桃李くんの協力でわたしの心拍数は落ち着きを取り戻していく。
「スマホに戻ってから、充電しても電源はつかなくて人にもになれなかったのに、どうして今はなれたのかなって……気になってたの」
やっと、ずっともやもやしていたことが聞けた。