わたしのスマホくん

その優しさにまた泣きそうになるわたしに、大丈夫だって次々に声をかけてくれる皆。

「そらー?泣かないのー。いっそ泣きそうな気持ちーまどかにとんでけー!ほれほれ!」

わたしから円華くんへと手をあおぐ桃李くんに、円華くんは顔をしかめた。

「なんで僕なわけ……って言いたいところだけど、別にいいよ。青空のことは何でも受けとめれるから、僕」
「……お、でも青空は泣かないでたえてるぞ?えらい」

嬉し泣きでも、泣き顔を見られるのも見せるのもいやだから……さっき泣いたぶん、今の涙は引っ込めた。

「な、泣いても自分ぬぐうよ?水と言っても涙ぐらいは大丈夫だから」

わたしを見ながらおろおろとする莉雨くんに、大丈夫と答えて、わたしは大きく頷いた。
もう平気!泣かない。


「──そろそろ寝てよね、姉ちゃんたち」

『うわぁ!?』

ドアがあいてないかあいてるかびみょうなすきまから声がして、皆で叫べばヒロが顔を見せた。

「再会して嬉しいのはわかるけど、ぼくたち学生組は寝ないと。碧たちもはやくスマホに戻りなよ?」

はーい、とバラバラに返事をすると、ヒロは"おやすみ"と自分の部屋へ戻って行った。
再会したからって夜更かしはだめだもんね。

「よし、ちょっとなごりおしいけど……また明日ってことで皆スマホになってくださいな」

皆もなごりおしいそうにしながらも頷き、続々とスマホへと戻る。机に置いた5人。

「おやすみ」

【おやすみ】

……ああ、戻れたことにもこの会話が出来ることにも胸がいっぱいだ。
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