わたしのスマホくん
でも、前のように戻れなくなると大変だから、1時間人化していたら1時間スマホに戻る。
人になった分、ちゃんと同じようにスマホの時間を作り、夜はスマホとして寝ること。
そういうルールをもうけて、今の生活を送ってる。
ただ、食事の時だけは申し訳ないなって思うけど、それ以外はにぎやかで……お母さんとお父さんも碧くんたち5人をたよってる。
それに楽しそうで思い切って打ち明けたこと、本当によかったって思う。
今やスマホは日常で欠かせないものになっているけど、こうしてながめてると……
──機械じゃなくて、家族って感じがしていいな。
「青空。なんか嬉しそうだね」
「……うん。もともと家ではわたしかヒロの留守番が多くて、にぎやかって感じではなかったから。声がたえなくていいなって」
「ぼくも、この場にいると楽しいよ。青空のスマホになって、よかったって思う」
碧くん、最初の頃よりだいぶ表情がやわらかくなった。無の中にも喜怒哀楽がはっきり見えるという感じ。
「……ちょっと碧、なにいい雰囲気になってるの?許さないっ!」
「ちょ、円華くっ……」
いつの間にかそばにいた円華くんは手が出る。だけど、それを碧くんは軽々とかわす。
「おー。さすが碧。自分とちがって機能がいい……なんてうらやましいんだろ」
「機能?ああ、カメラの機能も良くなってるからか。人だと動体視力がよくなるんだなぁ」
「ボクらよりもあおが一番おめめいいよ」
カメラ機能で見極めてるのか、碧くんは。
「てか、円華やめなさい!これ止めるの俺だけか!?」
……お母さんたちもわたしたちもこのようなやりとりに聞き慣れて、ほほえましく思えてる。