わたしのスマホくん
そして、わたしを視界にとらえたのか、眠そうな顔がパァッと明るくなった。

「……わぁ、そらだぁ!」

笑顔で手を振られ、碧くんの背中から顔を出して、ぎこちない素振りで一応振り返しておいた。

「君……子供用の子だね」

──え、子供用ってやっぱりこの子も……?

ボソッと碧くんが言えば、男の子の笑顔は綺麗さっぱり消え、わたしの方に回ってくると思いきり抱きついてきた。

「おっと……」
「もうボクのこと使わないでポイッてされるのかと思ってたのに……ちゃんと充電してくれてうれしい。ありがと、そら」

受け止めれば下から見上げられ、なんというか……かわいい。碧くんには敵意があるような目だったけど……。
目が大きく、身長がわたしやヒロより小さいし、うさ耳のパーカーがまた似合ってる。

「あ、ちゃんと自己紹介しないとだね。おっほん!……ボクは兎川桃李(うがわとうり)。分かってると思うけど、そらの子供用スマホだよ」

自己紹介をして、桃李くんはまた抱きついてくる。
うん。見知らぬ男の子が来た時点で察しはついていたけど、また同じような事が起こるなんて……ただスマホを充電しただけなのに。
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