わたしのスマホくん
桃李くんを腕の中にいれたまま悩んでいると、碧くんが桃李くんへ声をかけた。

「はじめまして桃李、ぼくは新星碧。青空の新しい──」

ギロッ。
桃李くんのかわいいおめめが、碧くんを見るなり一瞬で怖いものへと変わった。

「……ボクは君の先輩だから!うやまってよね!あと、そらに抱きついていいのはボクだけだから。そこよろしく!」

……中々見た目にはんして強めの性格みたい。碧くんは碧くんで、相変わらず『無』。
気にしないタイプであるのは助かるけど。

「……って、時間!ヒロが帰ってきちゃうから碧く……2人とも部屋に戻って元の姿で待機してください!」
「えー今会えたばっかなのにやだ……っおい!こら、ボクを引っ張るな新人!」
「青空に迷惑がかからないようにしたいだけ」

抵抗むなしく、桃李くんは碧くんによって引っ張られていく。

「ボクはせんぱいだぁ!」

廊下から桃李くんの叫びが聞こえたのを最後に静かになったから、きっとちゃんとスマホに戻った。

「よし、これでご飯の準備が出来る」

察しがついてたのは確かだけど、碧くんのことで驚きすぎて、2人目の桃李くんにあまりにも冷静でいた自分に驚き。

「こういうことって立て続けに起きたり……しないか。わたしもうスマホ持ってないし」

一度頭をきりかえ、髪を束ねて料理を開始することにした。
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