わたしのスマホくん
戸締まりを確認しながら、部屋に戻り、窓を全開にしてクロゼットから段ボールや何が入ってるか分からない箱などをどんどん取り出していく。
「よっと……毎年片付けても、必ずいらないものが出てくるもんなんだよね」
箱を開けては、いらないものを袋へつめていく。
「これは?そらが遊んでたやつ?」
桃李くんが手にしたのは、人形セット。人形の洋服やお家が入ったケースをまじまじと見つめていた。
「そうだよ。1人でも友達ともすごい遊んだ人形。使わないけど、捨てられなくて……これはいるもの側に置いといてね」
「うん!」
これは?これは?と、桃李くんは手伝いはじめ、碧くんはわたしが段ボールや箱を開けるたびにのぞき込む。
「青空……これは何?見てもいい?」
「いいよ。それはいるものの方によろしくね」
「分かった」
何冊かまとめて入っていたアルバムに碧くんは興味をしめし、床で広げだした。
片付けをしながらチラッと見てみれば、幼稚園に通ってた頃のアルバムのようで。
恥ずかしい気持ちもありつつ、捨てるものがたまった袋を結び顔を上げれば、碧くんはずっと最初のページを見つめたままだった。