わたしのスマホくん
──20分ほどが経った頃、未だアルバムを見る碧くんと桃李くんを背に、わたしは最後の段ボールを引っ張り出した。
少し埃っぽいのを感じながら、ゆっくりとあけていき、中身を取り出す。
お、これは……
「1、2、3……3台もスマホがあるけど、これは?」
「っ2人とも……いつの間に」
背中を向けていたのにのぞき込まれていた。
「これは、わたしが小さい時にお母さんたちの使わなくなったスマホで遊んでたりしてたものだよ。……充電器……も、ちゃんと残ってる」
興味があるのか、碧くんと桃李くんはスマホの入った箱を持ったまま静かになった。
桃李くんだけにらんでるようにみえなくない気が……。
「で……出来るかわからないけど、充電してみる?」
「うん。同じくデータにない青空が見れるかもしれないから」
「えー!」
反対の言葉を散々発する桃李くんと賛成派の碧くんをつれてリビングに行き、3台とも充電をしてみることに。
「あー……ランプついちゃった」
「これでちゃんと電源つけばいいね」
ついちゃった、ってあからさまに嫌そう、桃李くん。
碧くんはちょっとだけワクワクしてる感が伝わってくる。……なんて正反対なんだろう。
まぁ、でもつくかどうかはまだわからないし、充電してる間に片付け頑張らなきゃ。