わたしのスマホくん


「……は?敬え?生意気。むしろ敬うのは君のほうだからね。僕ら3人の方が、先に青空に使ってもらってたし」

円華くんも立ち上がり桃李くんをまた見下ろす。
碧くんたちをいれて5人だけど、見た感じ円華くんと明華くんが身長は大きい。
碧くんと莉雨くんが同じくらいで、桃李くんが一番小さいから、見下ろされるとなかなかの身長差。

「ママさんたちが使ってた君たちが、お古でそらに使ってもらってただけでしょ!」
「だから青空がはじめて手にしたのは僕ら。わかる?」
「ボクがそらの初めてのスマホだもんっ!」

どちらもゆずらなそうな桃李くんと円華くん。

ずっとこのやりとりが続きそうな空気を感じ、どうしたものか考えていると、

「はいはい、一旦やめろよおふたりさん。それに円華の言うことも、桃李が言ってることも正しいんだから言い合う必要ないだろ?」

な、と先に止めに入ってくれた明華くんがわたしに笑いかける。

「……そうだね。新しい碧くんも含め、うまくやっていってほしいな……」

もうこの際、スマホがまた人になったーと驚きはしない。振り向きざまにいた時はびっくりしたけど。
充電する時になんとなくこうなることはひそかに想定していたから。
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