わたしのスマホくん
「まどかのけーち!けちけち!けーち!けちまどか」
「うるっさい!ちっこいくせに!」
「ちっこいは関係ないでしょー!!」
テーブルをはさんでにらみ合い。
別に同じスマホじゃないけど、これはこれで似た者同士?
「おいおい……やめなさい。って全然聞いてねぇな」
やれやれ、と明華くんは肩をすくめた。
「ここは青空の出番」
「え?」
後ろから碧くんに背中を押される。
出番って何をすれば……
言い合う桃李くんと円華くんの真ん前に立たせられたわたし。
すると自然に2人は静かになり、わたしを見た。
「え、えっと……」
何を言うべき?と碧くんと明華くん、莉雨くんに目配せをするも、3人とも頷くだけ。
えー……。
「仲良く、ね?それと、わたしも円華くんたちに入ってる写真とか動画をみたいと思ってて……円華くんがだめならせめて明華くんたちだけでも──」
「見せてあげる。青空のたのみなら僕はいくらでも聞いてあげるよ」
と、ソファに座りなおした円華くんはスマホへと戻った。
「……青空の言うことは聞くってこと」
碧くんはうまくいったってつぶやき、何度も頷くとわたしの手を掴み、碧くんもスマホへと戻る。