わたしのスマホくん

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莉雨くんに何枚か撮ってもらった後、莉雨くんもスマホに戻ったから、なんとなく机にペットボトルやティッシュボックスを置いて皆が向かい合うようにたててみた。
ほんとはスタンドがあればいいんだろうけど、あいにく持ち合わせていない。

けれどうまいことたてられ、これで画像の見せ合いっこがしやすいのでは?と聞いてみることに。


「……こんな感じでどうでしょう」


【見やすい。ありがとう青空】
【そら、ありがとー!】
【うぉ、しゃべれたっ】
【これ便利じゃん。このままでも青空と話せる】
【……ほんとだ】


最初碧くんが話してた時は敬語とかだったけど、普通に話せるんだ。
一応敬語だっただけかな。

なんにせよ、声が機械的でも話し方でなんとなく分かるから区別はつく。

【莉雨一番ね。僕にはやく今撮ったやつ見せて】
【そうだ!りう、最新とかずるいっ!】
【分かった。ちょっと待って……】
【あせんなよ?ゆっくりで大丈夫だからさ】
【ぼく、莉雨のおすすめから見せて欲しい】


……割といい雰囲気?

しばらくスマホ同士で盛り上がるなら、わたしは宿題持ってきて近くでやってようかな。
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