わたしのスマホくん


結局スマホくんたちの話に反応してしまい、集中出来ずじまい。だから今はやめにした。

「……はぁ」

ん?

そういえばさっき……桃李くん充電しなきゃって言ってなかった?しかも残り22%って。
その会話をしてもうかれこれ、1時間以上は経ってる。

「と、桃李くん!充電!……っ!?」

見せ合いっこの最中、急にまぶしくなりあせるわたしに桃李くんが抱きついてきた。

「いやだぁ、充電の前にそらの充電がさきー」

ぎゅーっとされるのはかわいくて嬉しいんだけど……と思っていれば、いっきにまぶしくなった。残りの皆も人化したのだ。


「って言ってるけど、今5%しかないよ。桃李。ぼくも充電したほうがいいと思う」
「えっ!?それまずいんじゃ……ひ、ひとつ聞きたいんだけど、もし人の姿で0になったらどうなるの?」

急にたおれるとか壊れるとか、言わないよね……?

「ただスマホに戻るだけだよ。充電してくれればまた人になれる」
「そ、そっかぁ……」

碧くんの言葉に心配がうすれていく。

「……あ。待って知らなかったけど、そらにくっついてたらボクの充電増えたぁ!」

──え?わたし電気通ってないのに?静電気?

ほんとだ、と4人が桃李くんを見てつぶやく。
スマホ同士はわたしに見えない数値が見えてるらしい。
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