わたしのスマホくん
**それぞれの性格**


お母さんやヒロ、お父さんの誰かがいる時はもちろんスマホのままだけど、また合宿や出張となった時にはスマホくんたちに写真の見せ合いっこをさせる、という日々を送っていたある日の朝。


「……ん」

夏休みはいつもよりゆっくりと起きるのだけど、何かの気配を感じ、目を開いてみれば……

「おはよう青空」

ぼんやりと青緑色の髪が見え、瞬きをしてピントを合わせる。

「……碧くん?」
「そうだよ。寝顔見てたんだ」
「そっか、寝顔ね」

……ん?寝顔──!?

いっきに目が覚め、布団に座る碧くんを改めて見ればうっすらと微笑まれ、とっさにタオルケットで顔の半分を隠した。……あっついけど。

「……い、いつから?」
「30分前くらいかな」

30分!?そんなに寝顔見られてたの?
隠してる顔がより熱くなる。

「口半開きとかじゃなかった?」
「……かわいかったよ」

碧くんの手が伸びてきて、わたしの頭をそっと撫でていく。

あつい、暑い、熱い!すべての意味であついっ。
それにかわいかったは、半開きか聞いた答えになってないよ!

「この間、寝顔の写真の話をした時にぼくもほしいなって思ったから。撮りたくて」


わたしのスマホの中にわたしの寝顔が保存されてるのか……。
でも碧くんがちょびっと嬉しそうにするから何も言えない。

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