わたしのスマホくん
「もう起きる?」
「目覚めたから、起きようかっ……!?」
上体を起こしたところで、ゆっくりと部屋の戸が数センチ開いた。
驚くわたしを見て、碧くんも戸の方へ目を向けると、莉雨くんが姿を現す。
「……ざんねん。寝顔撮れると思ってきたのに、おそかった。おはよう」
肩を落とす莉雨くんに、碧くんは歩み寄った。
「ぼくさっき撮れたよ」
「え、いいな……」
「夏休みはまだあるから、きっと撮れるよ」
「……そうだよね。自分もがんばる」
なんだろう、なんだかこの2人を見てるとほんわかする。
やっぱりどことなく似てるんだろうな。
「あれ、お前ら起きてたんだな。おはよ」
「朝から青空の部屋で何してるの?僕の目の届かないところで変なことしたら許さないから」
開いてるドアを見たのか、明華くんと円華くんも入ってきた。
「おはよう2人共。ぼくは何もしてな……いや、したのかな?」
「は?」
碧くん写真撮っただけ、だよね?
円華くん一瞬でこわくなったよ?
「何したの今すぐ言って。言ってもことによっては許さな──」
「はいはい、朝から攻撃的な態度やめなさい円華。碧と莉雨だぞ?何も変なことはしないって」
明華くんが円華くんのストッパーになってくれるから、ほんと助かる。