わたしのスマホくん


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キリのいいところで、最後の10分間の宿題タイムを終了し、冊子を閉じる。

「そら、終わり?もう終わり?」
「おかげでだいぶ進んだから、今日はこのくらいでおしまいにしようと思って」
「やったぁー!これでいっぱい遊べ──」


「……あっ」

喜びスキップをし始める桃李くん。他の4人もそれぞれ立ち上がるも、碧くんのそっともらした一言に注目がいく。

「碧、何今の"あっ"。すごい気になる言い方なんだけど?」

立ち上がりかけた円華くんは座り直し足を組む。

「……何でもない」

ふいっと顔をそらす碧くんだけど、

「ウソ下手すぎる!はくじょーしてよ!」
「俺も気になるんだけど?なんか来たのか?」
「自分も気になる」

立て続けに気になると言われ、碧くんは何故かわたしをチラッと見てから静かに言った。

「その……メッセージが来て」
「だれから」
「男の子から」

すぐに円華くんのだれという質問に答えた碧くん。

『え』

碧くん以外の声が重なった。

男子?ヒロなら碧くんが弟として認識してるし……夏休みにそんな連絡を取り合うような仲の男子はいないような……。

「だ、男子って……ヒロか青空のお父さんに決まってるでしょ。僕はヒロとみた」
「いや多分、同じ学校の子」
「は?」
「円華、そんな怖い顔すんなよ……ちょっとした連絡かもしれないだろ?」

確かに。委員会の子なら連絡してくるかも。
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