わたしのスマホくん
「ねぇあお、内容は?な・い・よ・う!」
四つん這いになり座る碧くんに詰め寄る桃李くん。
「えっと……来週の土曜日って空いてる?って」
「はい決まりー僕この男子倒す」
「ボクもー!」
即座に立ち上がる桃李くんと円華くん。円華くん……拳にぎってる。
「やめなさいってすぐそう言うの。……あー、あれか?委員会とかの仕事が……とか?」
2人を止めつつ、膝立ちになった明華くんは碧くんにたずねるも、
「よかったら、遊びに行かない?だって」
「デートのさそいだ……」
"デート"──
キラキラのアイマスクをしたままの莉雨くんの発言をトドメに桃李くん&円華くんはものすごい形相になった。
「デート?そんなの絶対許さない。そいつ呼び出せ、青空のフリして呼び出して次からデートなんかに誘えないようにしてやる……」
「まどかこっわーい。でもデートはんたーい!」
円華くんは碧くんのもとへ行き、こう返すように……って耳打ちし始め、嫌な予感がしたのかあわてて明華くんが碧くんのもとへ。
「そーら。そらはデートよりもボクといたいよね」
「ボク、ってなんでお子ちゃま単体なわけ?お前だけなわけないだろ」
「そらの一番はボクだもん」
「……はぁ?それはない、僕に決まってる」
「ちがう!」
「ちがわない」
碧くんへ返信の言葉をささやくのをやめ、徐々に見慣れてきた桃李くんと円華くんのやりとりがまたも始まる。