わたしのスマホくん
参加しない面々は2人の姿をそばで見つめ、
「……これ、毎度俺がとめる役割なの?」
明華くんはひとりため息をついた。
「ほらやめろお前らー」
あきれながらも明華くんがとめる役割に定着している。
この間にわたしは碧くんのもとへ。
「……ねぇ、碧くん。返信したの?」
「なかなか円華がきびしい言葉言ってたけど、送ってないよ。これは青空に聞いてからしないと、でしょ?」
さすが碧くん。
「青空、なんて返すの?自分らお留守番でデート行くの?」
とんとん、と優しく肩をたたく莉雨くん。今度はおでこの上にアイマスク。
「行かないよー」
夏休み始まる前から、今度の土曜日は渚と遊ぶ約束をしていたからね。
「そっか。自分、安心した」
そう言ってまた莉雨くんはアイマスクを装着。
「碧くん、予定があるのでごめんってお願いしていい?」
「分かった」
返信してもらい明華くんがとめに入ってる間、またあちらから返信が来たようで。
「青空、じゃあ次の土曜日は?って来た──」
「呼び出せー!そいつは僕が倒すからぁ!」
「こればっかりはまどかにさんせいだー!出陣じゃ出陣ー!」
「やめなさい!」
──この後も、土曜日にはお断りをいれ、桃李くんと円華くんをおとなしくさせるのに苦労した明華くん。
このさわがしさでいつの間にか莉雨くんは寝ていた。碧くんもその横で寝始め、同じスマホなのにこんなにも性格が違うものなんだと実感しつつも、ちょっとほほえましかった。