わたしのスマホくん
**満喫**
むかえた土曜日。
渚とウィンドウショッピングをし、宿題の進み具合やどこに行ったかなんて話をして、お昼。
渚の食べたいと行っていたお店に入ったわたしたち。
席に座りメニューに目を通す最中、隣の椅子に置いたバッグがバランスをくずし、雪崩のように財布やポーチが床に落ちていった。
「あっ!!」
ギリギリ、スマホくんたちが顔をのぞかせたあたりでガード。
お、落ちなくてよかった……。
碧くんたち、びっくりさせちゃったかな。
ごめんね?
とりあえず今は心の中で謝っておこう。
「大丈夫、青空?」
「だ、大丈夫だいじょうぶ。ありがとう」
渚の方に転がったポーチを拾ってもらい受け取る。
「ん?……なんでそんなスマホ持ち歩いてるの?」
受け止めたスマホがズラッと手のひらにあるのを、渚は不思議そうに指差した。
「えっと……」
本当は碧くんだけを連れて行くつもりでいたわたし。
だけど昨日、リビングで──
『碧くん』
『どうしたの?』
ソファで眠る莉雨くんの隣にいた碧くんに、ソファの後ろからそっと声をかけた。
『明日渚と遊びに行くから、朝からバッグに入れて歩くけど大丈夫?』
『……もちろん。ぼくは平気だよ』
『ありが──』
『碧だけって聞いてない、無理、だめ。僕も連れてって』
『ボクも碧の先輩として行く!』
『自分もー』
『えっ』